お金に関する税金・法律
- 株式買取請求のみなし配当を廃止すべし
- 企業価値評価の憂鬱
- 債券投資に再チャレンジ
- 国外企業のスピンオフ、みなし配当にご用心
- 投資家の電子申告5000円控除に難関
- 子会社上場とスピンオフ、税制の壁
- 子会社上場とスピンオフ、文化の違い
- 購入額1,000万円非課税。25日が売却最終日!
- 税制改正大綱・毎月分配型ファンドに逆風か?
- 配当控除で税金還付/今後、配当金は非課税になるか?
TOB等での買取価格に不満なら、株主は会社に対して「公正な価格」で
自分が持ってる株式を買い取れ、って裁判所に価格決定の申立てができる。
最近の大きな話だと、この辺の2つだろか。
・旧カネボウ 事業譲渡(旧商法254条・会社法だと469条)→詳細情報
・日興コーディアル 株式交換(会社法785条) ←これって裁判やってるの?
カネボウに関しては今年3月、東京地裁が価格を1株360円と決定した。
ファンドがTOBで買い集めた1株162円の倍以上の値が付いた。
ただし、株価算定の手法として採用されたDCF法の計算において、
株式リスクプレミアムを8.5%で計算するという致命的なミスがあるので、
最終的には1株500円は下回らないだろうなぁ、という印象を持っている。
TOBやMBOで経営者等が、株式を安く買い集めようとする動きを牽制するため、
この分野の裁判が活発になって欲しいなぁ、と思うけど個人株主に税制の壁。
なぜか売却金額が配当所得になっちゃう。(みなし配当・所得税法施行令61条)
本当の企業価値が分かる株主を、不当に排除する会社の企みを後方支援している。
譲渡所得に改正して、訴訟費用も結構かかるから譲渡費用への算入を認めるべき。
商法から会社法に変わったばかりだし、企業の組織再編も近年活発化してる。
その中で裁判所や法律家も、株価決定の裁判を数こなして経験を積まなきゃダメ。
日本人は訴訟を起こすのを嫌うけど、この件に関してはきちんと裁いていかないと、
株主は経営者やファンド等に搾取され、それがひいては年金の運用にも悪影響。
だから、訴訟に二の足を踏ませるみなし配当の制度は改正すべきである。
お金に関する税金・法律 | 2008/08/02 | コメント(2) | 印刷 | [編集]
最近、未公開企業の株価鑑定に関する本や判例をいろいろ読んでいる。
率直な感想は、ポール・サミュエルソンが語るよう、
「買手と売手が市場で合意した価格に勝る、もっと正確な本質的価値はおそらくない」
ただ、未公開企業の場合、たとえ取引事例があったとしても、
お互いどう評価して良いのか分からないまま売買するからあてにならない。
だから裁判所に持ち込んで、専門家が株価の鑑定評価を実施したりするわけなの。
でも裁判官は経済のことよく分からず、いろんな評価法で専門家が鑑定したのを
時価純資産法:収益還元法=2:1、ってな具合に適当に案分して判決出しちゃう。
資産価値、収益価値のだいたい2つの方向からアプローチが多いけど、
企業価値は、どっちかの高い方じゃないとおかしいと思うんだよね。
企業価値の評価って、本来は自社の経営状態の把握に使われるべきで、
・資産価値>収益価値 → 不採算部門の事業譲渡を検討すべき。
・収益価値>資産価値 → 事業好調。設備投資を続けて収益向上を図る。
これをゴチャ混ぜに案分するだなんて、正気の沙汰ではない。ありえない。
とまぁ未公開株の評価に浸かっていて、ふと普段の上場株に戻ってくると…。
上場企業の場合、市場価格あるよね? 価格(Price)と価値(Value)の差? うん??
ちょっとこの辺で頭の中がゴチャっとしてるところ。
企業価値はあいまいでぼやけていて、そのモヤモヤした範囲内に市場価格がある?
お金に関する税金・法律 | 2008/07/12 | コメント(4) | 印刷 | [編集]
私の初めての債券投資は、儲かったけど税金面でバカをした。(→その時の記事)
その時のリベンジというわけではないけれど、頭を整理して再チャレンジ。
本当に初歩的な下記シナリオを狙ってスタート。
長期金利 < 短期金利 の国の通貨建ての利付き債券を買う。
↓
将来利下げがあれば、この債券の価格が上昇する。
↓
ここで売却して、今度こそ売却益非課税。
もう一度、債券投資の税制について復習しておくと、
| 利子 | 売却益 | 償還差益 | ||
| 利付債 | − | 20%源泉 | 非課税 | 雑所得 |
| 割引債 | 国内 | − | 非課税 | 購入時に 18%源泉 |
| 国外 | − | 譲渡所得 (総合課税) |
雑所得 |
お金に関する税金・法律 | 2008/05/15 | コメント(0) | 印刷 | [編集]
「子会社上場とスピンオフ、文化の違い」(08/01/11)
「子会社上場とスピンオフ、税制の壁」(08/01/20)
に続いて最後に国外企業への個別株投資をしてる方へ注意点。
前回指摘した通り、税制が変わらない限り、
日本企業がスピンオフを実施することはまずないだろう。
しかし、欧米ではごく普通に行われていること。
もし日本人が保有している外国株でスピンオフが実施されたら…、
もちろん残念ながら「みなし配当」の対象となってしまう。
今日、モトローラが携帯電話事業スピンオフを検討中と報じられたけど、
過去にも同じような流れで、みなし配当が問題になったことがある。
2001年11月にブリティシュ・テレコム(BT)が、携帯電話事業をスピンオフ。
※ 新会社mmO2は、以前アーセナルのスポンサーだったあの企業
当時BTは、東証外国部に上場してたから日本の株主がたくさんいたから、
mmO2株が500万円相当の配当とみなされて、追徴課税を受けたり、
主婦が扶養から外れたり、でだいぶ問題になったらしい。
この時課税されたのは先進国で日本だけ。こんなオンリーワンはいらん!
−−日経新聞04/03/23「商法改正広がる波紋(3)多様化する買収手法」参照
モトローラ株を保有している日本の投資家は注意が必要。
おそらくモトローラクラスの会社なら日本法人のホームページで、
みなし配当の解説ページを用意してくれるはず。
私自身もやはり今日発表された、P&Gのコーヒー事業(フォルジャーズ)
のスピンオフでこのふざけた税制を体験することになりそうだ。
お金に関する税金・法律 | 2008/02/01 | コメント(0) | 印刷 | [編集]
住民基本台帳カードとカードリーダーを用意するお金と手間を考えると、
大して得した気分にならない、所得税の電子申告5,000円控除。
でも、立場上やらん訳にはいかないでしょ?、ってな流れで、
国税局の申告書作成ページで、とりあえず入れられるとこまで、
入力しておこうと進めていたら、思わぬところでエラーメッセージ。
分離長期(短期)譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、退職所得のある方で、外国税額控除の適用を受ける方は、当コーナーをご利用になれません。処理を終了してください。
ここ何年か、
・給与所得…源泉徴収票が2枚以上あるから申告必須
・雑所得…みんながくれたAmazonのアフィリエイト報酬
・外国税額控除…外国株配当とバンガード投信の分配金
の3つの申告だったけど、
今年は特定口座で7万円損が出たのが1つあったから、
他の証券会社の利益と相殺して7,000円の還付申告しようとしたら。。。
株式譲渡と外国税額控除の組み合わせがダメとは、投資家には酷な話。
とりあえず、電子申告の5,000円より株の7,000円還付が優先な訳で…。
私の場合は事務所のシステム使う、って最終手段があるけど、
普通の投資家は、どれかをあきらめて確定申告することになるのかなぁ。
このままでは住基カードとカードリーダーを用意しても、
電子申告5,000円控除受けられない投資家が出てきてしまう。
来年の確定申告までに国税庁のシステム改善を強く求める!
※電子申告5,000円控除…19年分か20年分のいずれか1回受けられる。
お金に関する税金・法律 | 2008/01/31 | コメント(2) | 印刷 | [編集]
「子会社上場とスピンオフ、文化の違い」(08/01/11)の続き。
日本では親会社が支配権を保ちつつ、子会社上場するのに対し、
アメリカでは、子会社との資本関係を断ち切って上場。
事業選択を株主に委ねるスピンオフは、アメリカ独特?文化の違い?
と思いきや、日本は税制でスピンオフが規制されてるだけかも?
問題は日本でスピンオフを実行した場合に株主に発生する
みなし配当課税(所得税法25条1項2号)にある。
みなし配当は、普通の配当のように源泉10%で終了せず、
個々人の税率が反映されるため、所得の高い人にはかなりの重税。
株主にとってスピンオフは、特別の利益がもたらされるものではない。
例えば株価100円のA社株が、株価70円のA社株と株価30円のB社株に
分割されるだけの話。はて、これでなぜ税金が???
深く考えても無駄である。それが法律なのだから。
株主に配当課税がされない、適格分割(法人税法2条12の11)もあるけど、
子会社との資本関係を断ち切ることは、不適格の会社分割とみなされて、
(法人税法施行令第4条の2第5〜8項)、やっぱり株主は泣く羽目に…。
日本の税制の考え方は、親会社の経営者がコントロールできなくなったら、
事業を売却したことになるんだから、株主も課税なの!って感じ。
やっぱり話は一番最初に逆戻りして、会社の組織再編を
株主の立場から考えるアメリカと、経営者の立場から考える日本、
文化の違いなのかなぁと。 つづく…
お金に関する税金・法律 | 2008/01/20 | コメント(0) | 印刷 | [編集]
株主への配当として、子会社株を配当したらどうなるんだろ?
調べてみたら、会社法で明文化された現物配当のことだった。
さらに話はつながって、現在の株主に子会社株を配当して、
子会社との資本関係を断ち切ることをスピンオフ。
ジェレミー・シーゲルの名著「株式投資の未来」P33はこのことか♪
アメリカでは子会社上場にスピンオフを使うのが普通みたい。
日本だと親会社が保有比率を保ちつつ、上場するのが一般的。
なんとなくこんなところにも、両国の文化の違いが見てとれる。
1社で2事業だったものをスピンオフで2社2事業に分けて、
事業を選ぶのは経営者じゃなくて株主みたいなトコ、アメリカらしい。
投資家のポートフォリオ構築を重視するなら、複合企業は迷惑だしね。
アメリカの場合、1960〜80年代にコングロマリット全盛期を経て、
その失敗と反動の中で、スピンオフって考え方が主流になったのかな。
ちょうど昨日の夕刊に、2009年7月に欧米の会計基準統一って記事に、
「実質支配権を持つ子会社株の売却はP/Lに反映しない」
って統一基準が設けられると書いてある。
会社法で明文化されたし、これで今後はスピンオフが主流に?
と思うけど、どうも税制の壁があるようで… つづく
お金に関する税金・法律 | 2008/01/11 | コメント(0) | 印刷 | [編集]
購入金額が1,000万円に達するまでのものを
2005年1月1日〜2007年12月31日までに売却した場合、
譲渡益が非課税になる特例、ちゃんと覚えてる?(→国税庁HP)
4営業日後が受渡日だから、12月25日までに売却が必要。
この記事をきっかけに節税できた人は、私に何かご馳走して(笑)
お金に関する税金・法律 | 2007/12/17 | コメント(0) | 印刷 | [編集]
14日から自由民主党のHPに、平成20年度税制改正大綱が載ってる。
今年は参議院がねじれちゃってるから、このまま通らないかもしれないけど、
税金に関わるお仕事してるから、毎年の大事なイベントみたいなもの。
投資家のみなさんは、31ページからの金融・証券税制を読んでるよね。
投資家の申告負担、税務署の事務負担を激増させる、おバカ税制。
譲渡益の上限500万はいいとして、配当の上限100万には気になることが。
上場株式等の配当所得には、もちろん投信の普通分配金も含まれる。
そうすると、毎月分配金を出すファンドを持ってると、上限超えちゃうかも。
この手のファンドの存在意義は、退職金など老後の資金数千万円程度を預け、
資金管理を任せることにあるから(→関連記事)、枠が100万円は小さいな。
また、配当関係を特定口座にまとめるシステムができるのは、
平成22年1月開始をメドとも書かれており、平成21年度の申告が超面倒。
今後、分配金の多いファンドは敬遠されるかもしれない。
お金に関する税金・法律 | 2007/12/15 | コメント(1) | 印刷 | [編集]
課税所得が330万円以下の人、多くは主婦や学生の投資家が該当するかな、
確定申告をすれば配当金の税率が10%から7.2%に下がるから差額還付。
だから、何のメモも残さずに配当金もらって終わりにしちゃダメだよ。
※ 投資信託の普通分配金についてはこちらの記事を
確定申告すると配当控除ってのが受けられるから、還付なんだけど…。
配当控除は、法人税と所得税の二重課税を調整するための制度。
それなら配当に対する税金をなしにすりゃえぇじゃないか!
と言いたいところだけれど、税収の資料を見てみると無理そう。
配当金の源泉所得税(平成17年度国税庁統計年報書より)
平成16年度…約1兆1千億、全税収45兆6千億の約2.4%を占める
平成17年度…約2兆5千億、全税収49兆1千億の約5%を占める
※ 未上場株の配当も混ざっているから、住民税分が逆算できず。
よって、配当金に対する税収はあと4割以上多い。
平成18年度のデータがないのが残念だけど、
企業が配当金を増やしているから、当然税収も増えているはず。
配当金に対する税金が、意外と貴重な財源になってしまっているのだ。
平成17年度で言えば、全税収の3.2%を占める相続税よりも多い。
こんなことから、配当金非課税の世界はきっと遠い。
お金に関する税金・法律 | 2007/11/10 | コメント(4) | 印刷 | [編集]

