サブプライムという過去に経験したことのない領域での損失の拡大は、経済学者フランク・ナイトのいう「真の不確実性」に属し、市場の疑心暗鬼を増幅する。
※ 今週の日経朝刊1面(11/21)より。
フランク・ナイトの「真の不確実性」って、
最近読んだ、竹森俊平「1997年−世界を変えた金融危機」に出てたやつだ。
ちょっくら頭の整理がてらにメモメモ。
経済学者フランク・ナイトは不確実性を
・リスク…その確率分布を推測できる不確実性
・真の不確実性…その確率分布を推測することが不可能な不確実性
の2つに分けた人。
グリーンスパンが講演で
「不確実性、とくにナイトの不確実性に直面すると、人間はいついかなる時でも、
中長期的な資産から安全で流動的なものへのもちかえを図るものであります。」
と引用したように(2004年1月)、
最近では、人々は「ナイトの不確実性」に直面すると、
最悪のシナリオを想定して悲観的に行動するもの、って解釈になっている。
でも、ナイト自身が研究していたのは、
「競争的な経済においてなぜ利潤が存在するのか」って内容だったそうな。
客観的に確率を予測できるリスクなら、リスク回避手段が成り立ち、
市場の競争によって利潤を生まない適正水準に落ち着いてしまう。
それでも利潤が存在するのは、真の不確実性が存在するから。
その不確実性を引き受ける企業家がいてはじめて、生産活動と事業が可能になる。
つまり、現在の金融市場の状況がナイトの不確実性であるとするならば、
その不確実性を受け入れて始めて、投資家にリターンをもたらすとも言える。
ただし、ナイトは企業家についてこうも語っている。
「もし、彼らがビジネスが成功するチャンスをあまりに高く評価しているなら、
過剰な投資をつぎ込んで全体として損失を被る。」
個人的に結構盛り上がっちゃってるから、気をつけようっと。
自分なりにリスクをきちんと図って投資するのが、バフェット流と言えるかも。
ただそれにはビジネスセンスも問われることでしょうね。
フランク・ナイトの考えが、
その後ミルトン・フリードマンに真っ向から反対されたせいか、
ナイトに関する日本語の情報はあまり見当たりません。
でも、今回日経新聞にも取り上げられたように、結構面白い考え方。
経済学部のケングリフィーさん、英語堪能なAlphaさん、
ぜひともブログで、フランクナイトをとりあげてください。
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2007年11月24日 まろ@管理人 URL | 編集・削除
まろさん、いつものことながら、非常に興味深いものを提起してくださいましてありがとうございます。
特にまろさんのポイント、ナイト氏が研究していたテーマからの投資への視点は、考えさせられます。
この不確実性に対する投資のアプローチなのですが、ちょっと頭に浮かんだ点を書きます。
バフェット氏のやり方から、私なりに学んだ・解釈した投資においての重要なことは、不確実性をできるだけなくすこと、ではないかと考えています。例えば、株式市場において、短期的にどう動くかを予測することは、不確実性が多く伴います。例えば、明日、株が上がるか、下がるか、または、1ヵ月後、1年後に市場が今と比べてどうなっているかを予想しても、不確実な要素はたくさんあります。一方で、株式市場が、10年後、20年後に今より高い水準にある、と言ったことは(米国市場の場合)かなりの確度で、そうなると言えると思います。
バフェット氏のやり方を見ていると、”買い時”を待つのではなく、その時に見て、彼が見積もった潜在価値が、現在の価格に対して相応に安ければ買う、そして一定期間(長期)保有する(もちろんすべてがそうではない)、と言うのは不確実性が低く、確度の高い投資なのでは、と思います。
また、最後の部分で引用されている「もし、彼らがビジネスが成功するチャンスをあまりに高く評価しているなら、
過剰な投資をつぎ込んで全体として損失を被る。」
"ビジネスが成功するチャンス"を高く評価
に関しては、高く評価すればするほど不確実性は増えると思います。
ナイト氏についてちょっと調べてみようと思います。何か分かったら、コメントか私のブログにアップします。 今回に関しては、ビジネスに対する視力さえ良ければ大儲けのチャンスではないかと。あとはなるべく自己資本比率が高い企業。企業も助けられて、一石二鳥ですね。
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