昨日紹介した「お金と幸福のおかしな関係」に出てくる、ギクッとする一節。

「心の会計に欠陥があることから、大切でない決定と大切な決定を区別することが困難になることも多い。・・・このことはまた、本当は寂しくて一番欲しいのが恋人であるにもかかわらず、余暇のほとんどを預金のことだけを考えてすごし、投資に関する理想的な決定を下そうと毎日何百という株式やファンドなどの証券とにらめっこしている男性にも当てはまる。このようなケースでは、どうでもよいことに異常なほど多くの時間が割かれており、幸福のために本当に大切な決定を行おうとしているとは言い難い。」(P228)

なんだか私のことを言われているみたいで耳が痛い。

一番欲しいのが恋人、ではなくお金だと思っていた点がもっと重症かも(笑)
コストが一番安いファンドはどれだ?!と追求することからはじまり、
個別株投資に移ってからは、有利な投資手法を求めて、デイトレードしてみたり、
財務諸表を読めるようになりたいんだ!と税理士試験まで受けてしまったり…。

お金への執着は失ったものの、今度は投資の世界そのものに夢中になってしまい、
この不況下に仕事をほったらかして、大学院へ突入する始末。
学ぶことが楽しいんだもん!という言い訳もできるが、異常性があるのも事実。

でも、今のままでも十分幸せなんだけどな。
好き勝手やってきたわりには、そんなに大きな不幸に出会ったこともない。
学習の高速道路論の「対象への深い愛情ゆえの没頭」みたいなものさ、と楽観視?
今の心境は「生きるだけ生きたらば、死ぬるでもあらうかとおもふ」(無苦庵記)
みたいな感じ。心静かに興味のあるものを追いかけ続けたい。

※おまけ
パスカルもこんな言葉を残している
人間の小さなことがらに対する敏感さと、大きなことがらに対する無感覚は、奇妙な入れ替りを示している。

世界の名言・名文 | 2009/11/25 | コメント(1) | | 印刷 | [編集]

2ヵ月前にお薦めの本として紹介した「死ぬときに後悔すること25
の著者、大津秀一氏の講演会に参加。(おとといテレビ出演していたらしい)
※主催者の清話会さんのご厚意で無料で受講させていただきました。感謝です。

古今和歌集に残された在原業平の和歌
 ついに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思わざりしを

昨年1年間で亡くなった人は1,142,407人。100人に1人は亡くなっている。
現代は病院があるから死を目の当たりにすることが少ないが、
在原業平が詠ったように、私たちが思っているよりも死は近くにあるもの。

では死ぬときに後悔しないためには、どうすればいいのか?
・後悔しないように生きること
・今死んだら後悔することを考えること
・自分のやらなければいけないことリストの作成
とごく当たり前のことでしかない。

これに関連して、スティーブ・ショブズのあの有名な講演も紹介された。
"I've looked in the mirror every morning and asked myself: "If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?" And whenever the answer has been "No" for too many days in a row, I know I need to change something."

最後に結局は人それぞれの心しだい、と和泉式部の和歌でシメ。
 暗きより 暗き道にぞ 入りぬべき はるかに照らせ 山の端の月
※大津氏は「山の端の月」を自分自身の心と読む


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世界の名言・名文 | 2009/11/17 | コメント(0) | | 印刷 | [編集]

NASAが月のクレーターに人工衛星LCROSSをぶつけてみたら水が出たそうな。
→"LCROSS Impact Data Indicates Water on Moon"[NASA]
ぶつけた時、巻き上がった物質の太陽光反射で水と分かった、ってことかな?

ネオンサインが輝き、空気の汚れた都会の夜空では存在感が薄れ、
さらにはお子様ランチのごとく国旗までさされてしまっては、
もはや月が遠い昔にもっていたロマンチックなムードはどこへやら…。
でも、まだミステリアスな面は残っていて、なんだかほっとするような今回の発見。

身近な月の不思議といえば、ムーン・イリュージョン(Moon Illusion)。
地平線から顔を出したばかりの満月が、やけに大きく見えることがあるでしょ?
あの現象に、こんな素敵な名前がつけられているのだ。
アリストテレスの時代から考えられているけど、科学的には解明されていない模様。
とりあえず、心理学もからめなければ証明は難しいようで、
月の見え方と人の心が何らかの形でリンクしてる、ってところがなんだかうれしい♪

その昔、約10年前に閉館した五島プラネタリウムで、
東京中の電気を消せば、都会でもかなりの星が見えると聞いたことがある。
クリスマスイルミネーション点灯の時期だけど、
街中の電気を消した真っ暗な夜で、月と星を眺めるというのも一興。
そのとき恋人が一緒なら「あなたといると、月がきれいですね」とささやきたい。

※おまけ
夏目漱石は"
I love you"を「あなたといると、月がきれいですね」と翻訳した。
・月好きにオススメの本→
松岡正剛「ルナティックス」

世界の名言・名文 | 2009/11/14 | コメント(2) | | 印刷 | [編集]

アインシュタインの言葉。
物理学をはじめ自然科学の研究者に限った話ではない。
ビジネスの世界でも、過去の流れと非連続なジャンプをした企業が覇権を握るんだ。

先日、任天堂の岩田聡社長が決算発表の質疑応答のなかで、
「我々のビジネスというのは、皆さんが、「そんなことやって常識としてうまくいくんだろうか」と思うようなものが、何かのきっかけでポンっと化けた時に大きく成長する、大きく伸びる余地のあるビジネスなんです。」
と語っている。

また最近、大気圏外に飛んで行ってしまったかのような株価のAmazonも同じ。
今まで構築してきた流通網を自ら壊すような仕組みのKindleを世に送り出した。
過去にとらわれていたら絶対に作れなかった逸品だよね。

月並みな事業を効率よく回転させるだけじゃ、永続する企業にはなれない。
経営学の分野(経営戦略論など)は、このあたりが抜けてるようなモヤモヤ感がある。

オマケでヨハン・クライフの言葉。
 月並みなやり方をするくらいなら、自分のアイデアと共に心中した方がマシだ

世界の名言・名文 | 2009/11/13 | コメント(0) | | 印刷 | [編集]

最近、古典を読もう!と光文社古典新訳文庫を読みあさっているけど、
古典ならやっぱり、吉田兼好徒然草」が好き。と原点に戻ってきてしまう。
※イタリア人作家ロダーリの短編小説「猫とともに去りぬ」はおもしろかった。

こんな人になれたらなぁ、って憧れ人が第60段の盛親僧都。こんな話。。。

芋が大好物の高僧で、病気にかかれば大量に芋を食べて直してしまう変な人。
貧しい暮らしをしていたので、師匠が見かねて遺産(現在のお金で約2,000万円)を
残してくれたんだけど、芋を買うためにすべて使い果たしてしまう。
そんな彼を人々は「まことに有り難き道心者なり」と賞賛する。

彼は美男で力も強く、博学で雄弁、何をやらしても完璧だけど、
「世を軽く思ひたる曲者にて、万自由にして、大方、人に従ふということなし。」
世俗を無視して、勝手気ままに生きる変わり者で、人に合わせることをしない。
「尋常ならぬさまなれども、人に厭はれず、万許されけり。」
常識外れもいいところだが、人に嫌われることなく、何をやっても許された。

そして、最後に兼好の感想。
徳の至れりけるにや。」人徳がこの上なく優れていたからであろうか?

隆慶一郎が「一夢庵風流記」で描いた前田慶次像にも似ている盛親僧都。
こんな人、本当にいたのかな。いや、いてほしいな。
私が真似できるのは、せいぜいおいしいランチを求めて散財するくらい(笑)

世界の名言・名文 | 2009/11/06 | コメント(0) | | 印刷 | [編集]

足を知る」をテーマに、富と幸福の名言数珠つなぎPart.3。Part.1&Part.2
きっかけはジョン・C・ボーグルの著作「波瀾の時代の幸福論
原題は"Enough.True Measures of Money, Bussiness, and Life"

「いまの私たちにとっては、この社会が存在感と影響力を維持し、さらに拡大していくために十分な金、すなわち生産的な富があるかどうかではなく、品性、価値観、美徳が足りているかどうか−それこそが問題なのだ。」

この手の話は、今回の金融危機以後、たびたび耳にする。
今に始まった話ではない。過去の名言を辿っていたら10世紀までさかのぼれた。
※追伸: これ書いた時、老子の「足ることを知る者は富めり」を忘れてた。

18世紀を生きたベンジャミン・フランクリンはこんな悲しい言葉を残している。
 豊かなのは誰か? 足るを知る者。"Who is rich? He that is content."
 それは誰か? 誰もいない。"Who is that? Nobody."

ただ、発明家としても有名だったフランクリン自身は特許を取得しようとせず、
自分の発明はお金儲けではなく人々の生活の質を高めるため、という信念を貫いた。

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世界の名言・名文 | 2009/11/03 | コメント(2) | | 印刷 | [編集]

藤原正彦・小川洋子「世にも美しい数学入門」って本を読んでいて、
アテネオリンピックでの室伏広治さんの話におぉー!、と感動した。
最後の投擲に入る前に、フィールドにあお向けになっていたことについて、
後のインタビューで「そのとき何を考えていたんですか?」と尋ねられ、
「星を見ていました。」って答えたらしい。なんて美しい!

その全文読みたいな、と検索してみたらブログで引用してる方を発見。
そのままコピペさせていただくと(※元は陸上競技マガジン2004年10月号)、

「何も考えていませんでした。5投目を終えて、フィールドに寝そべっていたとき、静かに自分に集中していました。人が見ていないところを見ていたんです。空を。観客は試合を見ています。空なんか見てないじゃないですか。人が、全然注目していないところには、やはり、こうエネルギーが集まっているんです。人が注目していないものというのには、エネルギーがあります。集中するときに僕は、たった1つのものとか、そういうものを大事にしています。みんなが見ていない空を見ていると、僕は1人になれる。集中できるんです。周りが明るいから、星も見えない。でも、ずっと見ていたら、1個、星が見えたんです。誰も、見ていない星、それを見ていました。自分から星を探したんじゃなくて、ぼうっとしていたら、星のほうから、飛び込んできたんです。自分から見るんじゃなくて、必要なものは向こうから飛び込んできます。待つというのが大事なんです。暗い中の光でした。それで「いける!」と確信して投げたんです。 」

注目されていないものを見つけてじっと待つ。
私もそういうの見つけられるといいな。もちろん株以外で(笑)

世界の名言・名文 | 2009/11/03 | コメント(4) | | 印刷 | [編集]

暇だから本ぐらいたくさん読もう、と欲望のおもむくまま、本を読んだ。
9月末に今年読んだ本が200冊を超えた時、無駄に読みすぎている気がした。
そんな時、ちょうどダーウィンの「種の起源」を読まなきゃ、と思い立ち調べると…
光文社古典新訳文庫」なるシリーズを発見!
100冊以上出版されているようだが、たぶん1冊も読んだことがない!恥ずかしぃ〜
というわけで、時間があるうちに古典をやっつけよう、と心に誓うのだった。


さっそく、カント「永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編」から
「自然ななりゆきとして、人類の進歩において、才能、熟練、趣味、そしてその結果としての奢侈は、道徳の発達よりも早く発展する。この<ずれ>は、人間の身体には快適なものであるが、道徳にとってはきわめて大きな重荷となり、危険な状態をもたらす。欲望を満たす手段よりも、欲望の力がはるかに大きいからだ。こうして人間の道徳的な素質は、ホラティウスが「よろめき歩きの罰」と述べたように、欲望のあとを、よろめきながら追うのである。欲望はせっかちに進むために、足がもつれてつまずくので、道徳はやがて欲望に追いつくだろう。」

昨年、欲望はド派手にズッコケた。でも道徳が追いつく前に再び走り出したような…

世界の名言・名文 | 2009/10/12 | コメント(0) | | 印刷 | [編集]

過ぎたるは猶お及ばざるがごとし(過猶不及)」は論語の有名な一節。
伊達政宗の遺訓に、似たようなものがあることを思い出したのでメモ。
湯飲み扇子が仙台みやげのようなので、割と有名なのかも。

 仁に過ぐれば 弱くなる
 義に過ぐれば 固くなる
 礼に過ぐれば 諂となる ※諂(へつらい)
 智に過ぐれば 嘘を吐く
 信に過ぐれば 損をする

最近は、"義"や"愛"がキーワードの直江兼続が人気だけれども、
同時代に「義に過ぐれば固くなる」を掲げた伊達政宗の方が世渡り上手だった。

もし2人が上場会社の創業者だったとしたら?と勝手に想像する。
政宗の会社は、短期的には利益を伸ばし、株価も上がりそう。
兼続の会社は、あまり目立たないけど、100年以上続く長寿の会社になりそう。

こんなのが、企業理念・倫理で投資先を選ぼうとすると迷うところだったりする。
よりピュアに義を追求する会社を選んだとして、収穫に立ち会うことができるか?
それでもやっぱり私は、リターンよりも株主として誇れる会社が好きかな。
こんなんだから、中小企業の社長相手の税理士業務は、向いてなかったのかなぁ…

世界の名言・名文 | 2009/09/22 | コメント(0) | | 印刷 | [編集]

ロシアの作家、マキシム・ゴーリキーの戯曲「どん底」に出てくる言葉。
私の大好きなことば。
自分を信じる心は、幸福をつかみとるために必須の要素だと思うから。
自分で自分を信じられないような人間を、いったい誰が信じてくれるというのか?
だったら、信じてみるしかないじゃない。「天才」って響きに憧れるし…(笑)

ただ、それも行き過ぎると害になってしまうこともある。
フランス人作家、ポール・ヴァレリーはこう語る。
もっとも偉大な人とは、自分自身の判断を思いっきり信じられる人たちのこと。もっともバカな人も同じだが…

あんまり自分を信じ過ぎちゃうと、否定的な意見を受け付けなくなっちゃう。
日常生活はもちろん、株式投資にも悪影響。(特に損切りが必要な場面とか)
伊達政宗の遺訓に「信に過ぐれば損をする」なんてものもあるよ。
つねに間違えを素直に認められる余裕を持ちたいものだね。

※関連記事: 相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない(09/08/02)

世界の名言・名文 | 2009/09/22 | コメント(0) | | 印刷 | [編集]

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