世界の名言・名文
- 盛親僧都(徒然草・第60段)にあこがれる
- 富と幸福・その3「足るを知る」
- ここ一番に星を見つめる心の静けさ
- 道徳は後からヨチヨチついてくる
- 伊達政宗の遺訓
- 天才ってのは自分を信じることなんだ
- 仕事と幸福
- アナリストレポートって読んでますか?
- 学者ってむずかしい
- モンテーニュ「エセー」を読む・その2
最近、古典を読もう!と光文社古典新訳文庫を読みあさっているけど、
古典ならやっぱり、吉田兼好「徒然草」が好き。と原点に戻ってきてしまう。
※イタリア人作家ロダーリの短編小説「猫とともに去りぬ」はおもしろかった。
こんな人になれたらなぁ、って憧れ人が第60段の盛親僧都。こんな話。。。
芋が大好物の高僧で、病気にかかれば大量に芋を食べて直してしまう変な人。
貧しい暮らしをしていたので、師匠が見かねて遺産(現在のお金で約2,000万円)を
残してくれたんだけど、芋を買うためにすべて使い果たしてしまう。
そんな彼を人々は「まことに有り難き道心者なり」と賞賛する。
彼は美男で力も強く、博学で雄弁、何をやらしても完璧だけど、
「世を軽く思ひたる曲者にて、万自由にして、大方、人に従ふということなし。」
世俗を無視して、勝手気ままに生きる変わり者で、人に合わせることをしない。
「尋常ならぬさまなれども、人に厭はれず、万許されけり。」
常識外れもいいところだが、人に嫌われることなく、何をやっても許された。
そして、最後に兼好の感想。
「徳の至れりけるにや。」人徳がこの上なく優れていたからであろうか?
隆慶一郎が「一夢庵風流記」で描いた前田慶次像にも似ている盛親僧都。
こんな人、本当にいたのかな。いや、いてほしいな。
私が真似できるのは、せいぜいおいしいランチを求めて散財するくらい(笑)
世界の名言・名文 | 2009/11/06 | コメント(0) | 印刷 | [編集]
「足を知る」をテーマに、富と幸福の名言数珠つなぎPart.3。Part.1&Part.2
きっかけはジョン・C・ボーグルの著作「波瀾の時代の幸福論」
原題は"Enough.True Measures of Money, Bussiness, and Life"
「いまの私たちにとっては、この社会が存在感と影響力を維持し、さらに拡大していくために十分な金、すなわち生産的な富があるかどうかではなく、品性、価値観、美徳が足りているかどうか−それこそが問題なのだ。」
この手の話は、今回の金融危機以後、たびたび耳にする。
今に始まった話ではない。過去の名言を辿っていたら10世紀までさかのぼれた。
※追伸: これ書いた時、老子の「足ることを知る者は富めり」を忘れてた。
18世紀を生きたベンジャミン・フランクリンはこんな悲しい言葉を残している。
豊かなのは誰か? 足るを知る者。"Who is rich? He that is content."
それは誰か? 誰もいない。"Who is that? Nobody."
ただ、発明家としても有名だったフランクリン自身は特許を取得しようとせず、
自分の発明はお金儲けではなく人々の生活の質を高めるため、という信念を貫いた。
世界の名言・名文 | 2009/11/03 | コメント(2) | 印刷 | [編集]
藤原正彦・小川洋子「世にも美しい数学入門」って本を読んでいて、
アテネオリンピックでの室伏広治さんの話におぉー!、と感動した。
最後の投擲に入る前に、フィールドにあお向けになっていたことについて、
後のインタビューで「そのとき何を考えていたんですか?」と尋ねられ、
「星を見ていました。」って答えたらしい。なんて美しい!
その全文読みたいな、と検索してみたらブログで引用してる方を発見。
そのままコピペさせていただくと(※元は陸上競技マガジン2004年10月号)、
「何も考えていませんでした。5投目を終えて、フィールドに寝そべっていたとき、静かに自分に集中していました。人が見ていないところを見ていたんです。空を。観客は試合を見ています。空なんか見てないじゃないですか。人が、全然注目していないところには、やはり、こうエネルギーが集まっているんです。人が注目していないものというのには、エネルギーがあります。集中するときに僕は、たった1つのものとか、そういうものを大事にしています。みんなが見ていない空を見ていると、僕は1人になれる。集中できるんです。周りが明るいから、星も見えない。でも、ずっと見ていたら、1個、星が見えたんです。誰も、見ていない星、それを見ていました。自分から星を探したんじゃなくて、ぼうっとしていたら、星のほうから、飛び込んできたんです。自分から見るんじゃなくて、必要なものは向こうから飛び込んできます。待つというのが大事なんです。暗い中の光でした。それで「いける!」と確信して投げたんです。 」
注目されていないものを見つけてじっと待つ。
私もそういうの見つけられるといいな。もちろん株以外で(笑)
世界の名言・名文 | 2009/11/03 | コメント(4) | 印刷 | [編集]
暇だから本ぐらいたくさん読もう、と欲望のおもむくまま、本を読んだ。
9月末に今年読んだ本が200冊を超えた時、無駄に読みすぎている気がした。
そんな時、ちょうどダーウィンの「種の起源」を読まなきゃ、と思い立ち調べると…
「光文社古典新訳文庫」なるシリーズを発見!
100冊以上出版されているようだが、たぶん1冊も読んだことがない!恥ずかしぃ〜
というわけで、時間があるうちに古典をやっつけよう、と心に誓うのだった。
さっそく、カント「永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編」から
「自然ななりゆきとして、人類の進歩において、才能、熟練、趣味、そしてその結果としての奢侈は、道徳の発達よりも早く発展する。この<ずれ>は、人間の身体には快適なものであるが、道徳にとってはきわめて大きな重荷となり、危険な状態をもたらす。欲望を満たす手段よりも、欲望の力がはるかに大きいからだ。こうして人間の道徳的な素質は、ホラティウスが「よろめき歩きの罰」と述べたように、欲望のあとを、よろめきながら追うのである。欲望はせっかちに進むために、足がもつれてつまずくので、道徳はやがて欲望に追いつくだろう。」
昨年、欲望はド派手にズッコケた。でも道徳が追いつく前に再び走り出したような…
世界の名言・名文 | 2009/10/12 | コメント(0) | 印刷 | [編集]
「過ぎたるは猶お及ばざるがごとし(過猶不及)」は論語の有名な一節。
伊達政宗の遺訓に、似たようなものがあることを思い出したのでメモ。
湯飲みや扇子が仙台みやげのようなので、割と有名なのかも。
仁に過ぐれば 弱くなる
義に過ぐれば 固くなる
礼に過ぐれば 諂となる ※諂(へつらい)
智に過ぐれば 嘘を吐く
信に過ぐれば 損をする
最近は、"義"や"愛"がキーワードの直江兼続が人気だけれども、
同時代に「義に過ぐれば固くなる」を掲げた伊達政宗の方が世渡り上手だった。
もし2人が上場会社の創業者だったとしたら?と勝手に想像する。
政宗の会社は、短期的には利益を伸ばし、株価も上がりそう。
兼続の会社は、あまり目立たないけど、100年以上続く長寿の会社になりそう。
こんなのが、企業理念・倫理で投資先を選ぼうとすると迷うところだったりする。
よりピュアに義を追求する会社を選んだとして、収穫に立ち会うことができるか?
それでもやっぱり私は、リターンよりも株主として誇れる会社が好きかな。
こんなんだから、中小企業の社長相手の税理士業務は、向いてなかったのかなぁ…
世界の名言・名文 | 2009/09/22 | コメント(0) | 印刷 | [編集]
ロシアの作家、マキシム・ゴーリキーの戯曲「どん底」に出てくる言葉。
私の大好きなことば。
自分を信じる心は、幸福をつかみとるために必須の要素だと思うから。
自分で自分を信じられないような人間を、いったい誰が信じてくれるというのか?
だったら、信じてみるしかないじゃない。「天才」って響きに憧れるし…(笑)
ただ、それも行き過ぎると害になってしまうこともある。
フランス人作家、ポール・ヴァレリーはこう語る。
「もっとも偉大な人とは、自分自身の判断を思いっきり信じられる人たちのこと。もっともバカな人も同じだが…」
あんまり自分を信じ過ぎちゃうと、否定的な意見を受け付けなくなっちゃう。
日常生活はもちろん、株式投資にも悪影響。(特に損切りが必要な場面とか)
伊達政宗の遺訓に「信に過ぐれば損をする」なんてものもあるよ。
つねに間違えを素直に認められる余裕を持ちたいものだね。
※関連記事: 相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない(09/08/02)
世界の名言・名文 | 2009/09/22 | コメント(0) | 印刷 | [編集]
仕事に不満を持つ人は多い。口を揃えてお金のために仕方なく働いていると嘆く。
知人や友人の中には仕事に対する不満から、私の立場をうらやましがったり、
真似しようと相談を持ちかけてくる人がいるけど、それは間違っていると思う。
社会の外側にいる私から見れば、仕事はどんなものでも素晴らしいのだ。
バートランド・ラッセルは「幸福論」第14章の中で、
「量が過多でないかぎり、どんなに退屈な仕事さえ、たいていの人びとにとっては無為ほどに苦痛ではない。」
「仕事は、何をすべきかを決定する必要なしに一日のかなり多くの時間を満たしてくれる。」
と自由の扱いは難しいから仕事が必要、と消去法的な側面も指摘しながらも、
継続して何かに打ち込むことが、人の幸福につながることに着目し、
「首尾一貫した目的だけでは、人生を幸福にするのに十分ではない。しかし、それは幸福な人生にほぼ必須の条件である。そして、首尾一貫した目的は、主に、仕事において具現化されるのである。」
と語る。
もうひとつ、著者の意図とは違うかもしれないけど、
夏目漱石「夢十夜」から、第七夜の大きな船に乗っている男の話。
世界の名言・名文 | 2009/09/21 | コメント(3) | 印刷 | [編集]
私の感覚がズレているかも?と気になることについて、教えて下さい。
投資判断に証券アナリストの書いた企業分析レポートを参考にしていますか?
私は株式投資をはじめて1,2年の間しか、アナリストレポートを読まなかった。
私が株式市場にやってきたのは、2000年の春。ちょうどITバブルのピーク頃。
初心者ゆえに専門家が書いたもの読まなきゃ♪と、レポートを熱心に集めたものだ。
その一部は今でも手元に置いてある。人の意見は当てにならないぞ、って教訓に。
もしかして、こんな考え方なのは、株式投資をはじめたタイミングのせい?
※おまけ:歴史学者カール・ベッカーの言葉
「歴史とは、歴史家の心のフィルターを透過した過去のイメージであり、この点では窓を通った光と同じなのである。ガラスが汚れていることもあるし、悲しいくらい曇っていることもしばしばなのだ。」
---マーク・ブキャナン「複雑な世界、単純な法則」より
世界の名言・名文 | 2009/09/18 | コメント(1) | 印刷 | [編集]
昨日、経済学者の田中秀臣さんのセミナーに参加してみた。
私はそんなに深く経済学を勉強してないので、あまり分からなかったけど、
約100年前の日本の経済学者、河上肇と福田徳三を研究し、対比しながら、
現代の諸問題に応用しようと試みている方のようだった。
たしかにその頃の日本は、日露戦争で国家財政が今より大変なことになってたし、
小林多喜二の「蟹工船」から察すると、今より貧富の差も大きそう。
今よりヒドイ状況下で経済学者はどう考えてたのか?って視点はおもしろいかも。
話を聞いていて、学者ってむずかしいものなんだなぁ、となんとなく思った。
ブレがあったり、2つの主張を合わせたとき矛盾していると、周囲から叩かれる。
そういった場合、精神的に弱い学者は自説に固執しちゃうんだろうな。。。
→関連記事: 相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない(09/08/02)
私なんかダメだな。あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。風まかせに流れてる。
さらには、今回の金融危機の影響(恩恵?)で、今信じられていることだって、
いつかは時代の流れとともに誤りに変わってしまうものさ、と妙な無常観を形成。
変な人。と自分で感じながらも、それが普通なんじゃないかな、とも思う。
モンテーニュ「エセー」より(2巻1章 われわれの好意の移ろいやすさについて)
「わたしにとっては、人間の不変性ほど、信じる気になれないものはないし、逆に、その定めのなさほど、信じるのが簡単なものもないのだ。」
「さまざまなできごとという風が、その風向きにしたがって私を動かすのだけれど、それだけではなく、このわたし自身が、その姿勢の不安定さによって、自ら動かしたり、揺らしたりしている。そして、もしも人が、自分を注意深く見つめるならば、二度と同じ状態にある自己を見出すことはないのだ。」
世界の名言・名文 | 2009/09/13 | コメント(0) | 印刷 | [編集]
モンテーニュは1570年、37歳にして裁判官を辞めて隠居。
その2年後あたりから「エセー」を書き始め、初版は1580年に出版される。
この頃、ユグノー戦争(1562〜98年)の名で呼ばれる、宗教内乱のまっただ中。
ごたごたの社会情勢の中、人を裁くことに疲れてしまったのだろうか。
年齢について書かれた章では(第57章 年齢について)、
「30歳を過ぎて、心身ともに、増えるよりは減った、前進するよりは後退したのはたしかだ。なるほど、時間を上手に使う人ならば、年とともに、知識なり経験なりが豊富になるのかもしれない。でも、活発さや敏捷さ、それにねばり強さなど、人間本来の、とてもたいせつで、欠かせない能力は、色あせて、おとろえていく。」
なんて嘆きのような文章も残している。
とはいえ、30代での隠居では、やはり時間をもてあました部分もあるようで、
暇について書かれた章もある。(第8章 暇であることについて)
「豊かで、肥えた土地の場合、そこを遊ばせておくと、むだな雑草があれこれ無数に生い茂るけれど、この土地をしっかりと活用するには、きちんと種まきをしたりして、われわれに役立つようにする必要があることは見てのとおりである。・・・・・・精神についても、同じことであって、それをなにかのことがらでいっぱいにして、束縛し、手綱を引き絞らないと、想像力という茫漠とした野原のなかを、あちこち野放図に身を投じてしまうのである。」
→ 続きを読む世界の名言・名文 | 2009/09/10 | コメント(0) | 印刷 | [編集]

