投資の賢人に学ぶ
- なぜ新興国へ投資しないのか?を整理する
- ビル・ミラーが最近不調らしい
- 久しぶりのウィリアム・バーンスタイン
- さぁ、楽しい株式投資の時間だ
- 株式投資における流動性の罠?
- バリュー投資復権の年
- 投資に必要なことが4つある by 竹田和平
- 売りと買い、2度も正しい判断はできない
- 正しかった賢人の考え
- バーンスタインの「Comin' Around Again?」に再挑戦
BRICs始めとする新興国への投資に全く興味を示さない私は珍品らしい。
iShares MSCI Brazil Index (EWZ) をたったの40株しか持っていない。
上海ETFの売り持ちで、ポートフォリオ上、新興国割合がマイナスの時期も。
ちなみに、EWZはブラジルがサッカー強いから、という理由だけで保有。
でも、なぜ新興国へ投資しないのか?と面と向かって問われると、
頭の回転が悪いから、うまく答えられない。だからもう一度整理しておくと、、、
1.株式のリターンが、国の経済成長を先取りすることはあるけど、国の経済成長が株式の将来のリターンを先取りはしない。
2.時価総額の小さな市場に、熱狂した資金の組み合わせは、長期的に見て高いリターンをもたらすことはない。
この考え方の元になっているのは、
・ジェレミー・シーゲル「株式投資の未来」第16章
・ウィリアム・バーンスタイン「Thick as a BRIC」
あと書いてるうちにもう1つなんとなく思いついたので。
3.先進国の国際優良企業が、新興国の経済成長の恩恵を横取りするから、新興国の経済成長=新興国の企業の利益成長→株価の上昇、とはならない。
ビル・ミラーといえば昨年「S&P500に15年連勝した全米最強の投資家」
ってな翻訳本が出版されていた。(読むに値しない内容だった→関連記事)
そのミラーの運用する"Legg Mason Value Trust"が最近不調らしい。
"Bill Miller fights back" (Fortune/March 6, 2008)
2007年にはファンドからなんと30億ドル以上の資金が引き上げられたらしい。
"As things fall, you've got to play more and more offense, not defense."
って発言には同意するけれど、Countrywide はどうなんだろう???
本当に久しぶりに、Efficient Frontier が更新されている。(8ヶ月ぶりくらい)
「Fifty Years from Now」なんて題だしいつもより文章も短い。病気かな?
とりあえず、新興国への投資が嫌いなのは相変わらず。私はこの考えの賛同者。
うまく訳せないから、該当部分をそのまま原文載せとくね。
Will the inevitable economic rise of China and India mean that these dynamic markets will produce outsized returns for those brave enough to brave their markets?
A very good question, but I'm betting no.
Remember, equity prices are based on per-share metrics, and in nations with inadequate shareholder protection, outstanding equity gets diluted faster than iced tea on a hot day.
Despite China's ten percent annual economic growth and the recent torrid performance of its stock market, its real long-term returns over the past fifteen years have been negative.
経済の高成長がそのまま株式の高リターンにつながらないのは、
中国の過去15年間のリターンを見れば分かるでしょ?
株価は1株あたりの利益等に基づいて形成されるものだし、
株主保護が不十分な国では、株式の価値が薄められてしまうもの。
ってな感じの話。(だと思う…)
W・バーンスタイン著のお薦め本「豊かさの誕生−成長と発展の文明史」
この本を参考に書いた記事が結構あって、
・豊富な天然資源と経済の繁栄は反比例 (06/10/09)
・価格革命とオランダの繁栄 (06/10/11)
・17世紀オランダ衰退の原因 (06/10/13)
この3つは適当な記事だらけのこのブログにしては結構イケてる方だと(笑)
日本の紙幣より信用できる株式で貯金、が投資の目的でもある。
わずか5年で再びこのような機会に出会えるなんて恵まれている。
しかしどの会社を手に入れるか、本当に目移りしちゃうね。
かなり多めに投資用のお金を用意していたけど、増額しようかな。
ベンジャミン・グレアム「賢明なる投資家」第8章より
一般の投資家は安値水準が到来するまで買い付けを控えるべきだという考えは誤りである。なぜなら、そのためには長時間待たねばならない可能性があり、その間の配当収入を失うことなり、また投資機会を逃すことにもなりかねないからである。一般的にいえば、しっかりとした価値基準に照らして一般株価水準が高すぎる場合を除いて、株式投資用の資金があるならば投資家は株式を買い付けるのが賢明であろう。
病気でひっくり返って、新聞・ニュースから遠ざかっていたら、
バフェットさんのこの言葉がなんとなくしっくりくる。
「株価の変動に着目して値幅取りをするつもりはありません。仮に、株式を購入した翌日に市場が閉鎖され、その後五年間取引が行われないという事態になっても、私はいっこうにかまいません。」(ジャネット・ロウ「バフェットの投資原則」)
証券市場は私たち投資家に持ち株の流動性を与えてくれる。
グレアムが「賢明なる投資家」第8章の中で、流動性の意味を
・株式相場で持ち株の評価が日々変化するという便宜性
・本人が望めば、その時々の市場価格で保有株を増減できる
と定義づけている。
流動性って捉え方によっては、投資家の判断をかき乱すもので、
本来の経済用語とは違うけど、これも流動性の罠って言えるかもね。
2008年の株式市場の見通し、なんて聞かれても分からないよん。
でもなんとなくだけど、今年はバリュー投資復権の年になるかな。
まさかベンジャミン・グレアムの投資法として有名な
正味流動資産の3分の2以下の企業(※)がゴロゴロなんてことには、
ならないだろうけど、グレアムを再読しておいて損はないよ。
読んだことない人には、ジェイソン・ツバイクの注解付き
「賢明なる投資家 上」「賢明なる投資家 下」がお薦め。
※グレアムの割安株
株価 < (流動資産−流動負債)×2÷3÷発行済み株式数
☆続きのような記事;「たとえ割安でも日本の中小型株は…」(08/01/07)
8/31 の日経新聞の竹田和平氏インタビュー記事をメモメモ
1.一番大切なことは、理念を持つこと。
自分の利益を求めるだけでなく、世のため人のためにつながる投資を心がける。
だから長期保有。
2.過去の成功体験や人情といったしがらみを取り払い、自分で判断する。
3.タイミング。
心がきれいだとタイミングをつかみやすい。
4.積極的に攻めること。と同時に守ることも大事。
一社がダメでもほかの会社でカバーする。
BusinessweekのWebサイトにジョン・ボーグルのインタビュー記事見っけ。
インタビューだからこの英語あんまり難しくなくていい。
Even if I was pretty confident that the decline will continue—and I think it's more likely than not—you've not only got to get out right, you've also got to get in right. You must be right twice. So if you get out now, and the market goes way down another 15 or 20%, which is quite possible, they will be so scared they won't get in.
と投売りのようなマネを否定し、
いったん売却してもっと下がってから買い戻そうとたくらんでも、結局は…
You're going to be in cash and the market is going to come back, and then you'll pay a higher price to get in than you got out today.
でもまぁ日本の投資家で今パニックになってる人って
株の信用買いやFXでギャンブル楽しんじゃった人だろうから、
この手の人たちには、手仕舞いをお薦めしたい。
ついでにインタビューの中のこのフレーズが気に入ったのでメモメモ。
In the long run, investing is not about markets at all. Investing is about enjoying the returns earned by businesses. And the stock market is nothing but a giant distraction in that quest to acquire returns that business earns.
サブプライムローン問題をきっかけに起こった株安。
賢人の発言を振り返るとさすがだなー、って感心する。
5月初めには、バフェットがバークシャー年次総会で、
「1998年に大手ヘッジファンドが信用収縮のあおりを受けて破綻した。
今後、同じようなことが起こる可能性がある。」と語り、
7月初めには、ジム・ロジャーズが
「新興国の株は中国以外は全部売却した」と語っていた。
反論できる要素がなかったから、(中国は真っ先に売却すべきだと思うけど)
この発言が伝わってからそれぞれ2週間以内に、
バンガード・トータル・ストック・マーケット・ファンド
HSBCブラジルオープン
を全額売却。
値下がりしたら海外ETFに買い換えようと狙っていて、円高のオマケまでついてきた。
やっぱり凄いよ、投資の賢人は!
今、行方昭夫という翻訳家の書いた「英文の読み方」って本を読んでいる。
英和辞典を引きながら1語1語丁寧に訳しなさないとダメ、
うる覚えの訳語で読み進めると、読み終えた時に意味が分からなくなると。
胸に手を当て考えみれば心当たりが…
さっそく英和辞典(2,3年前年賀はがきで当たった電子辞書)を手に、
1月ほど前に挫折したけど、バブルがどうの書いてあって気になってた
バーンスタインのコラム「Comin' Around Again?」に挑んだ。
6割くらい分かった気がする。解読結果をメモ。
本題は6段落目のハイマン・ミンスキーのバブルの前提条件からかな。
the two basic requirements for a bubble
1.liquidity (直訳は流動性だけどたぶん過剰流動性のことかな)
2.displacement (a transformative technology)
そして7〜9段落で、ETFにおいて「displacement」が起こってる話。
当初のETFはインデックス運用だったはずが、変なETFがいっぱい出てきたそうな。
10段落ではバーンスタインがバブルというには、
ミンスキーの条件にあと2つ付け加えないと足りないと言ってる。
1.Investors have to forget the last frenzy, particularly how it ended.
2.The usual valuation metrics have to be disregarded—in short, investors have to forget how to do long division.
とこの辺でピンと来た人は、私と同類のかなりのオタク。
実はバーンスタインの著書にまったく同じ話が出てきてる。
なぜか絶版になった「投資 4つの黄金則」P193〜195 をご覧あれ。
ここでの話を現在に当てはめて語ってるのが、このコラムだったんだな。


