- バブルの形成と崩壊は不可避。でも…
- アジア通貨危機・タイバーツ暴落までの経緯
- 老舗の理念を追いかけて・6
- 大津秀一氏の講演メモ
- ムーン・イリュージョン
- 一見して馬鹿げていないアイデアは見込みがない
- キリンの売上原価に含まれる酒税
- 網野善彦「日本の歴史をよみなおす」
- アメリカより日本の失業率が低いのはなぜ?
- メガネが増えると目薬市場に影響あるかな?
「バブルは、はじけてみるまで、バブルだとわからない」
神様の地位から金融危機の戦犯へ堕ちたグリーンスパン前FRB議長は語る。
今となっては、バブルを止めなかったからこそ投資家達から神様に祭り上げられた、
と厳しいツッコミを入れる人(水野和夫「金融大崩壊」)もいるけど、
やっぱりバブルの渦中にいて、これはバブルだ!と判断するのは無理だと思う。
好景気という名の音楽が流れている間は、踊りをやめられないのが人間だから。
経済成長時には誰もがお金儲けの天才。いい気になってすっかりのぼせている。
身の丈以上に借金をして、設備投資に走る企業、住宅や株を買う個人…。
そしてバブル崩壊すると、決まって残るのは、不良(過剰)資産と借金地獄。
熱狂と不安とを振り子のように行き来するのが、人類の経済史の定めなのだ。
でも、そんな騒ぎと無縁の境地に達する人もやはりどこかにいるのだろう。
自分の中にたしかな価値観を持ち、心静かに生きることができる人。
こんな人が会社のトップだったら、バブル崩壊の影響も軽減されるかもしれない。
欧米の金融機関の中で、おそらく最も金融危機の影響が軽かったと思われる、
HSBCの会長ステファン・グリーン氏は大学でゲーテを学び、牧師の資格を保有…
金融危機2007〜? | 2009/11/20 | コメント(1) | 
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アジア通貨危機を1分程度で簡単に振り返ることができないかな?と思い、
チャレンジしてみた。※間違ってたらご指摘よろしくデス。
1997年のアジア通貨危機は、タイの通貨バーツの暴落からはじまった。
1980〜90年代に東南アジアの経済は成長著しく、投資先として注目されていた。
当時のASEANは、今でいうところのBRICsのような扱いだった。
なかでも年率8%以上の経済成長を続けるタイは、ひときわ輝いていた。
1994〜95年にかけてメキシコを震源とした通貨危機が中南米で起こると、
より安全な新興国として、さらに東南アジアへの資金流入が加速していった。
当時タイの通貨政策は、現在のドル円相場のような変動相場制ではなく、
ドルと自国通貨バーツを連動させる固定相場制(ドルペッグ制)を用いていた。
この通貨政策が、通貨危機勃発の原因とされている。
アメリカの経済が回復し始め(2000年のITバブルへ向かって)、
またクリントン政権の元で、いわゆる「強いドル政策」が進められドル高基調に。
そうすると、ドルペッグ制を採用するタイの通貨バーツも連動して価値が上がる。
円高が輸出企業に打撃、とは日本でもたびたび耳にするのと同じで、
バーツ高によって、タイ製品の国際競争力が低下し始めた。
と同時に海外からの過剰な資金流入により、国内経済はバブル化、賃金も上昇。
低賃金を求めて工場を構えていた先進諸国の企業が、拠点を中国へ移し始める。
経済の見通しが暗くなったことで、投資家の資金が逆回転。資金流出が始まる。
ドルペッグ制を維持したいタイ政府は、ドルを売ってバーツの価値を保とうと動く。
しかし手持ちのドルが底を打ってしまい(それを見越してヘッジファンドが空売り)、
変動相場制へ移行を決める。これを決定した日、1日で約18%バーツ下落した。
こうしてタイに残ったのは、好調時に海外から調達した借金と、
その借金でバブル時に高値で買ってしまった自国の不良資産(株や不動産)。
さらにドル建てでの借入だったため、バーツ安で借金額も実質的に増加。
もちろん、借金を返済することは不可能で、IMFへ救済を求めることになる。
このタイで起こった通貨危機が、マレーシアやインドネシアなどへ伝染。
さらには新興国不信の連鎖で、韓国やロシアにまで波及。
ロシアの財政危機が、ノーベル賞経済学者のファンド・LTCM破綻にもつながった。
さらにはこのアジア通貨危機をきっかけに、発展途上国が外国からの債務を嫌い、
海外へ資金を貸し出そうとしはじめる。そしてその貸付先がアメリカ。
これが近年のアメリカ経常赤字の増大の原因、とバーナンキは主張している。
参考
ポール・クルーグマン「世界大不況からの脱出」
日経ビジネスオンライン「アジア通貨危機から10年目の警告」
Wikipedia「アジア通貨危機」
歴史と未来予想 | 2009/11/19 | コメント(0) | 
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小津産業(1653年創業・東証2部上場)
理念: 温故知新
元は紙問屋。今は精密機器メーカー向け不織布事業(国内シェア約8割)。
そして今話題?の植物工場にも参入。業態転換の連続で生き残る。
※参考…植物工場の普及・拡大に向けて(農林水産省)
浅香工業(1661年創業・大証2部上場)
理念: 良品声なくして人を呼ぶ
日本初の国産スコップ製作以来、スコップ・ショベルを主力商品に掲げて100年超。
「我が社の看板商品はあくまでショベル。国産・高品質にこだわり、廉価製品を駆逐する。高品質は人種や思想を問わず最大の武器になる」
by 嶌田長秋社長/日経新聞朝刊2009年3月25日より
社長の名前を襲名してる会社が老舗に多いような? ○代目△兵衛みたいな。
歌舞伎や落語、相撲でも襲名制度があり、何でかな?と首をひねっていたところ、
岩井克人「会社はこれからどうなるのか」にこんな記述。
「日本の家制度の基本は長子相続ですが、天皇家は別にして、血の継承は必ずしも重視しません。重要なのは、家の名前の継続です。血の継承よりも名前の継承を重視するという点で、日本の家制度は、全世界的に見ても、かなり特殊なあり方をしているといってよいでしょう。」
創業者の息子がダメで、2代目で会社がつぶれる、なんてよく聞くけど、
息子がダメなら、優秀な人を養子にして襲名させる、っていうのもアリの世界?
詳しく調べてないけど、襲名制のある老舗は、血縁にこだわってないのかも?
良い企業・悪い企業 | 2009/11/18 | コメント(0) | 
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2ヵ月前にお薦めの本として紹介した「死ぬときに後悔すること25」
の著者、大津秀一氏の講演会に参加。(おとといテレビ出演していたらしい)
※主催者の清話会さんのご厚意で無料で受講させていただきました。感謝です。
古今和歌集に残された在原業平の和歌
ついに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思わざりしを
昨年1年間で亡くなった人は1,142,407人。100人に1人は亡くなっている。
現代は病院があるから死を目の当たりにすることが少ないが、
在原業平が詠ったように、私たちが思っているよりも死は近くにあるもの。
では死ぬときに後悔しないためには、どうすればいいのか?
・後悔しないように生きること
・今死んだら後悔することを考えること
・自分のやらなければいけないことリストの作成
とごく当たり前のことでしかない。
これに関連して、スティーブ・ショブズのあの有名な講演も紹介された。
"I've looked in the mirror every morning and asked myself: "If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?" And whenever the answer has been "No" for too many days in a row, I know I need to change something."
最後に結局は人それぞれの心しだい、と和泉式部の和歌でシメ。
暗きより 暗き道にぞ 入りぬべき はるかに照らせ 山の端の月
※大津氏は「山の端の月」を自分自身の心と読む
→ 続きを読む
世界の名言・名文 | 2009/11/17 | コメント(0) | 
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NASAが月のクレーターに人工衛星LCROSSをぶつけてみたら水が出たそうな。
→"LCROSS Impact Data Indicates Water on Moon"[NASA]
ぶつけた時、巻き上がった物質の太陽光反射で水と分かった、ってことかな?
ネオンサインが輝き、空気の汚れた都会の夜空では存在感が薄れ、
さらにはお子様ランチのごとく国旗までさされてしまっては、
もはや月が遠い昔にもっていたロマンチックなムードはどこへやら…。
でも、まだミステリアスな面は残っていて、なんだかほっとするような今回の発見。
身近な月の不思議といえば、ムーン・イリュージョン(Moon Illusion)。
地平線から顔を出したばかりの満月が、やけに大きく見えることがあるでしょ?
あの現象に、こんな素敵な名前がつけられているのだ。
アリストテレスの時代から考えられているけど、科学的には解明されていない模様。
とりあえず、心理学もからめなければ証明は難しいようで、
月の見え方と人の心が何らかの形でリンクしてる、ってところがなんだかうれしい♪
その昔、約10年前に閉館した五島プラネタリウムで、
東京中の電気を消せば、都会でもかなりの星が見えると聞いたことがある。
クリスマスイルミネーション点灯の時期だけど、
街中の電気を消した真っ暗な夜で、月と星を眺めるというのも一興。
そのとき恋人が一緒なら「あなたといると、月がきれいですね」とささやきたい。
※おまけ
・夏目漱石は"I love you"を「あなたといると、月がきれいですね」と翻訳した。
・月好きにオススメの本→松岡正剛「ルナティックス」
世界の名言・名文 | 2009/11/14 | コメント(2) | 
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アインシュタインの言葉。
物理学をはじめ自然科学の研究者に限った話ではない。
ビジネスの世界でも、過去の流れと非連続なジャンプをした企業が覇権を握るんだ。
先日、任天堂の岩田聡社長が決算発表の質疑応答のなかで、
「我々のビジネスというのは、皆さんが、「そんなことやって常識としてうまくいくんだろうか」と思うようなものが、何かのきっかけでポンっと化けた時に大きく成長する、大きく伸びる余地のあるビジネスなんです。」
と語っている。
また最近、大気圏外に飛んで行ってしまったかのような株価のAmazonも同じ。
今まで構築してきた流通網を自ら壊すような仕組みのKindleを世に送り出した。
過去にとらわれていたら絶対に作れなかった逸品だよね。
月並みな事業を効率よく回転させるだけじゃ、永続する企業にはなれない。
経営学の分野(経営戦略論など)は、このあたりが抜けてるようなモヤモヤ感がある。
オマケでヨハン・クライフの言葉。
月並みなやり方をするくらいなら、自分のアイデアと共に心中した方がマシだ
世界の名言・名文 | 2009/11/13 | コメント(0) | 
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アサヒビールの単体決算書、売上原価に酒税があっておもしろい、と以前書いた。
競合のキリンはというと、前期から持ち株会社になり、酒税データが不明。
真の売上利益率を知るためには、酒税の金額が不可欠なのに…。
キリンよりアサヒの方が情報開示に積極的なんだ、と思っていたら間違えだった。
売上原価に含まれる酒税額についていえば、
アサヒは単体しか開示していないが、キリンは連結まで完全公開。
キリンの連結酒税額データのありかは、
IR・投資家情報 → アニュアルレポート → データブックの7ページ
これをもとに酒税抜きの真の利益率を算出すると、

※おまけ
この表を作ってて気がついたんだけど、
データブック7ページの「売上総利益/純売上高(%)」の計算が間違ってる。
酒税を差し引く前の売上高で割ってるぞ。これは会社に教えてあげよう。
決算書から企業を見る | 2009/11/12 | コメント(2) | 
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日本は古来より農業中心社会、というイメージは史料の読み違え!
という著者の指摘が、この本最大の見どころといえる。
歴史学者の間では「百姓=農民」という認識が強く、
こうした認識を元に史料を読むと、江戸時代までの人口の8割は農民になってしまう。
でも、史料をていねいに読むと、「百姓」の小分類に「農人」「商人」「鍛冶」…
と分類されており、これまでの常識と違った社会の実態が浮かび上がる。
「鎌倉時代後半、13世紀後半以降の社会は、銭貨の流通が活発になり、信用経済といってもよいような状況が展開し、さまざまな形態の資本−金融資本、あるいは商業貿易資本、さらに土木建築に投資される大きな資本が動くようになっています。少し大胆にいえば、これは資本主義的といってもよいぐらいだと思うのです。」(P379)
金融・投資の話題になると、日本は農耕民族でアングロサクソン系とは違うから、
みたいな話になりがちだけど、日本の方が資本主義国として先進国かも???
歴史の読み違えとは恐ろしい。
このほかに、決して男尊女卑ではなかった女性の歴史の記述もおもしろい。
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網野氏が日本に貨幣が本格的に流通しはじめたと指摘する時期、
13世紀後半から14世紀前半は、ちょうど吉田兼好が生きた時代と重なる。
「徒然草」の第217段で大富豪の話として、
「人は、万をさしおきて、ひたふるに徳をつくべきなり。貧しくては、生けるかひなし。富める人のみを人とす。…銭を奴の如くして使ひ用いる物と知らば、永く貧苦を免るべからず。君の如く、神の如く畏れ尊みて、従へ用いる事なかれ。」
金持ちでなければ人間ではない。お金を神のように敬って、無駄に使ってはダメ。
そうやってお金を貯めることが、徳を貯めることになる、ってな話。
こりゃとんでもなく貨幣が珍しく、貴重とされた時代なんだなぁ、と分かる。
ちなみに兼好さんは、お金持ってても使わないなら貧乏と一緒じゃない、
「ここに至りては、貧・富分く所なし。…大欲は無欲に似たり。」と斬っている。
お薦めの本 | 2009/11/11 | コメント(0) | 
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アメリカの失業率が先月10%を超え、日本の失業率よりだいぶ高い印象。
グラフにしてみると、リーマン・ブラザーズ破綻の少し前から差が広がってる。
やっぱり企業文化、雇用の仕組みの違いからくるものなのかな。
日本では、社内で1人何役もこなせるように社員を育てる習慣がある。
だから不況の時、仕事のある他の部署に配置転換すれば、解雇せずに済むことも。
また、これが可能なのは、ボーナスを削ることができるから。
給料の後払いとして貯めている分を削って、リストラを最小限に抑えたりする。
みんなで痛みを分かち合って、不況を乗り切り、団結力を高めよう♪って感じの
絶滅危惧種の終身雇用制度の時代のなごりみたいなもの。
一方のアメリカは、個々人がどの企業でも通用するような専門家として働いてるから、
担当している仕事がなくなったら、明日から来なくていいよ、って言われちゃう。
日本のボーナスみたいに賃金調整が困難だから、余剰人員は抱えていられない。
このあたりが失業率の差にあらわれているのかもしれない。
雇用形態としてどっちが優れているか?という話にはならないけど、
環境負荷の点では、日本の方が優れている可能性はある。
たとえば製造業で、ベルトコンベアに製品を流して、それぞれの持ち場に、
この部品を取り付けるブロだ!って人が並んでいるライン生産方式より、
1人〜数人のチームを組んで、すべての工程を片づけるセル生産方式の方が、
ベルトコンベアの電力が不要になったり、ムダな在庫が減ってエコ。
今後は何がエコかの判断で、働き方もいろいろ変わってくるんだろうね。
なんか書いてるうちに表題とズレちゃったけど、まぁいいや。おしまい。
その他投資・経済の話 | 2009/11/10 | コメント(2) | 
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3月までは、おばちゃんの街・自由が丘にいたから気付かなかったんだけど、
渋谷や青山を行き交う人をなんとなーく眺めていると、
若い女性も男性もメガネをかけている人が、昔よりずいぶん増えたように感じる。
そこでふと思う。
コンタクトレンズの人って、目が乾きやすく、しょっちゅう目薬を差している。
その人たちがメガネに代えたら、目薬の使用量が減るんじゃない???
というわけで、業界トップのロート製薬の決算書を見たくなった。
※目薬のシェア…一般用トップはロート製薬、医療用トップは参天製薬

予想は大外れ。ここ数年、目薬の売上は右肩上がりだった。。。
ただ、株主通信を見ると、2006年3月期、2007年3月期では、
「コンタクトレンズ関連品が伸び増収に寄与」とデカデカと書いてあったものが、
2008年3月期以降はなくなり、花粉症関連の目薬が好調って表現に変わっている。
しかし売上全体の25%程度で営業利益の6割以上を稼ぐとは目薬恐るべし!
そうか、コンタクトレンズ用の目薬の需要が減ったとしても、
今の人類は、花粉症でやられ、パソコンで目が疲れ、目薬を必要としているのだ。
決算書から企業を見る | 2009/11/09 | コメント(0) | 
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